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RIAユーザーインターフェース開発のメソドロジー
ペルソナ・シナリオ法 「ゴールと仕事」について
2007年1月
text by
伊良波朝賞(製品開発部)
次期リンコム
ネクストの開発ではRIAの技術をフル活用します。従来のHTML型のWEBアプリケーションとは異なり、技術的な自由度が増した分、ユーザーインターフェースの開発をどうすればよいのか、といったことが大きな課題になります。それは、今後RIA技術を利用して開発を行う場合の共通の問題といえると思います。
そこで、時期製品では「ペルソナ・シナリオ法」という手法を用いて、ユーザーインターフェースのデザインを行います。
アラン・クーパー氏が提唱する、この「ペルソナ・シナリオ法」は非常に強力な武器になりますが、使いこなすためには、それなりの前提をしっかり理解していないと効果が薄れてしまいます。
そこで、今回のテーマは「ペルソナ・シナリオ法」の前提となる「ゴールと仕事」についてふれて見たいと思います。
そもそも、ペルソナを製品開発に使うのは、製品の利用目的を明らかにして、製品を使った結果どのようなメリットを享受できるのかを明らかにするためです。つまり、ユーザーの最終的なゴールを明らかにすることが大事になります。誰でも使えるような製品を目指すと、誰にとっても満足いかない中途半端な製品になってしまうでしょう。「なあんだ、そんなの当たり前じゃないか」と思われるかもしれませんが、周りを見渡してみると意外と「ゴール」と「仕事」をゴチャまぜにしていることがよくあるようです。
それでは、「ゴール」とは何で「仕事」はどういったものか、考えていきたいと思います。
まず、「ゴール」は最終目的で非常に安定していることに対して、「仕事」は中間のプロセスのため、色んな要因で変わりやすい、という性質があります。例えば、少し気が早いのですが、「お花見」を例にとってみましょう。「お花見」のゴールを「桜の花を見て、まったりしたい」としましょう。その一方で仕事は「場所の決定」「日程を決める」「飲み物や食べ物の手配」「移動手段や方法の検討」「メンバーへの通知」「場所取り」その他諸々と盛りだくさんです。「場所の決定」という仕事ひとつをとっても、ある人は「去年あそこにいったけどとてもよかったのでまた行きたい」、別の人は「いやいやうちの近くの桜は桜並木がすごくて・・・」といったように、なかなか全員の意見をまとめるのは大変そうです。
この状況と同じようなことが意外と製品開発の場面でも行われていないでしょうか。ゴールをしっかりと定めないままに要件定義を進めてしまうことはないでしょうか。そうなると、「自分はこの機能が必要と思う」、「この方法が使いやすいんじゃないか」、「いやいやこのケースを考えるとうまくいかない」、といったように議論が紛糾して収拾がつかなくなることはありませんか。このように、ゴールを意識せずにプロセスとなる仕事に細かく分解してしまうと、ついにはゴールが見えなくなってしまうのです。
それでは、ゴールはどうでしょうか?「まったりしたい」人もいるかと思えば、「パッと盛り上がりたい」という要望もあるでしょう。こういった論争に終止符を打つのがペルソナなのです。大勢の欲求にひとつの方向性を示すことができるのがペルソナの役割です。ペルソナは実在する本物の人間のようにふるまいます。ペルソナが「まったりしたい」と決めてしまえば、あとは「食べ物や飲み物を手配する」という仕事も自ずとどういったものを用意すればいいか選択範囲が決まってくるのです。
このように、ゴールと仕事を常に意識して分けて考えることが、ゴールを見極めるためには重要になります。そしてペルソナの存在がゴールをはっきりさせるのに役に立ちます。
では、ゴールはどうやって見極めればいいのでしょうか?実はゴールにも、いろいろな種類があるのです。 1.個人的な目標 2.企業の目標 3.実務的な目標 そして「にせの目標」といったものまであるのです。それぞれの細かな内容については、また別の機会にお話したいと思います。
ペルソナがゴールを明らかできる存在であることまではお話しましたが、王様のような絶対的な権力をもつペルソナって、一体どういうものなの?ペルソナで本当にゴールが確認できるの?ペルソナってたくさん出てくるんじゃないの?それって一体どうやってまとめるの?と様々な疑問がわいてくるのではないでしょうか。
そこで、次回はどうやって「ペルソナ」をつくり上げていけばよいかについてお話したいと思います。しっかりとした手順を踏まずにペルソナを決めてしまうと、結局はゴールを探し出せずに元に戻ってしまいます。一番やってはいけないことは、想像でいきなりペルソナを作り上げてしまうことです。「ペルソナ・シナリオ法」のスタート地点は「ペルソナ」づくりではないのです。それでは、続きは次回をお楽しみに。
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