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RIA-UI道場
ユーザーテスト、ここは押さえたい 2008年6月
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by 伊良波朝賞(技術統括部)
前回から実際のテストの進め方について見てきました。今回も引き続きテスト中に注意することなどについて見ていきたいと思います。
■テスト中に質問されたらどう答える? テスト中はタスクを実施している人から質問されることもあると思います。そのときは親切に答えたほうがいいのでしょうか?普段であれば適切に回答するのが最善ですが、ここはグッと我慢です。ここで解説してしまうと、せっかく問題発見の糸口に届こうとしていたことが台無しです。かといって、答えないと不誠実です。協力的でないととらえられて不愉快に感じてしまうかもしれません。このようなことがないように、テスト開始前の説明のときに、質問には答えられないことをおことわりしておくと、ギスギスした感じにならずに不親切な印象を持たれなくて済みます。しかしそれでも、質問された場合はどうすればよいでしょう。その時は、やんわりと聞き返してください。例えば、「ここをクリックすればいいんですか?」と聞かれると、「ここをクリックすると、何がおこりそうですか?」といった具合です。そうすることで、収集するデータも内容が充実してきます。
■無言になったら? 今度は、テストに集中するあまり、無言になったらどうすればよいでしょう。説明のときに、「操作しながら、今考えていることを話してください」とお願いしていたハズですが、だんだんと口数が少なくなってくると、つい無言の空気に耐えられなくなって、いろいろと質問したくなるかもしれません。しかし、普段操作しているシーンを考えると、何かを話しながら操作している訳ではないので、それはごく自然なことと思われます。問題なくサクサク操作しているときは観察を続けて、かえってあまり質問しないほうがいいと思います。何か問題があれば不満を口にしているでしょうし、首を傾げる、イライラしてくるなど、何か反応があるハズです。そのサインを見逃さなければOKです。もし考えこんだりして、手が止まってしまったら、「今何を考えていますか?」「次はどうしようと思ってましたか?」などと促すといいでしょう。
■観察者はお静かに テスト中、タスクを実行する人は過敏になっていると考えられます。まず、見られているだけで普段とは違いますし、その上ストップウォッチで時間を計られたり、場合によってはカメラで撮影されるなど、普段操作する環境とは全く異なります。そんな中、タスクだけに集中してくださいというのは無理な話です。なるべくテストに集中してもらうためには、観察者たちは音を立てないことが望まれます。観察者同士のヒソヒソ話や落胆の声を上げるのも厳禁です。タスクを実行する人はそれが気になってしょうがなくテストに集中できなくなるかもしれません。タスクへの集中が途切れてしまわないように気をはらってください。
■テストされる人の心理 テストされる人は何とか力になりたいと考えていることが多くあります。ましてリクルートしたテストユーザーは謝礼を受けとりますので、普段以上にちょっとカンバッテしまうと考えておいたほうがいいです。もし、ユーザーが、「いやぁ、ここはちょっと分かりません」といったら、普段ならばあれこれ試行錯誤することなくもっと早くあきらめていたと考えるべきです。ですから、ユーザーが立ち止まったそのポイントだけではなく、その手前から再検討する必要があると考えたほうがよさそうです。
■質問はまとめて最後に テスト中はタスクの実行から得られるデータの収集に集中して、ユーザーにはあまり多くの質問はしないほうがいいでしょう。もし何か問題があれば、それはテスト中に明らかになっているはずです。つまり、ユーザーがそわそわしたりブツブツ言ったりと、何らかのサインを発しています。ですので、質問は最後にまとめてするほうがよいと思います。その時も、ユーザーの意見を収集することや、別のアイディアが効果的か、といったような質問はあまり意味がないと考えてください。ユーザーテストで全体的な観察から収集したデータを分析することが重要であり、別のアイディアに対しては、別途テストするほうが効果的と考えます。製作者側からすれば評価は非常に気になるところで、あれこれ聞きたくなると思いますが、一般的に最後の質問は総合的な満足度を聞くことで十分といわれています。
テスト中は思いもよらないことが起こるかもしれません。かといって、予期しないことを想定して予め対策を用意するのはある程度効果的かもしれませんが、結構大変そうです。その時はユーザーテストすることのゴールを思い出してください。原点に立ち返ることで適切な対応ができそうです。例えば、テストを実施している人から予想しなかったことを質問されても、ゴールが「操作するときの問題点などデータを多く引き出す」であることを意識していれば、反射的に「ああ、これはこうすればいいんです。ここはこういう意味なんです。」といったような答えにはならないと思います。
前回に続き、ユーザーテストを進めるときの注意点についてお届けしましたが、それでは、こうして収集したデータはどうやって分析すればいいのでしょうか。次回はデータをどのように役立てていけばいいか、データの分析について見ていきたいとおもいます。
連載第17回 ユーザーテストの効果的な進め方
連載第16回 ユーザーテストを簡易的に実施する
連載第15回 ユーザーテストのタスクはこう作る
連載第14回 最初の試金石、ユーザーテスト
連載第13回 画面の動きを考える
連載第12回 ラフ図を作る
連載第11回 2つのシナリオ
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